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【日本メキシコ交流400周年記念】

フリオ・エストラーダ・アンサンブル
メキシコ現代オペラ
「原野のささめき」

Julio Estrada Ansamble
作曲・演出:フリオ・エストラーダ 
原作:フアン・ルルフォ作「ペドロ・パラモ」
原題「Murmullos del páramo 」

ペドロ・パラモを探して
辿り着いた町。
しかしそこは、
秘やかなささめきに包まれた
死者ばかりの町だった……

メキシコ文学の金字塔、ファン・ルルフォ原作「ペドロ・パラモ」を、
現代音楽の巨匠フリオ・エストラーダが15年の歳月をかけてオペラ化。
原野にこだまする魂の声を、見事に音楽と視覚で表現した傑作。
日本公演では笙の石川高と舞踊家、田中泯の出演が決定!

舞台はメキシコ革命前夜。破滅に向かう人々の声にならない声が充満する失楽園、コマラ。生者と死者、愛と罪、現在と過去を行き交う時間は円環をなし、神話のように世界を包む。


[日時] 2010年12月21日(火)〜23日(木祝)
12月21日(火)19:00開場/19:30開演
12月22日(水)19:00開場/19:30開演
12月23日(木・祝)13:30開場/14:00開演

[会場] スパイラルホール
(スパイラル3F/地下鉄表参道下車B1、B3 出口すぐ)

[主催・企画制作]  NPO法人 魁文舎
[共催] 株式会社ワコールアートセンター
[助成] 平成22年度文化庁国際芸術交流支援事業
<日本メキシコ交流400周年記念>
[後援] 在日メキシコ大使館
<メキシコ独立200周年記念、メキシコ革命100周年記念>

[料金] 全席自由 一般(前売:5,500円 当日:6,000円)  

[お取扱い] チケットぴあ(Pコード 121-252) TEL 0570-02-9999
http://t.pia.jp/
NPO法人魁文舎[KAIBUNSHA] TEL 03-3275-0220
info@kaibunsha.net
スパイラルオンラインストア TEL 03-3498-1171
http://store.spiral.co.jp
[お問合せ] NPO法人魁文舎[KAIBUNSHA] TEL 03-3275-0220

ストーリー

「コマラに行って、私たちを捨てた父、ペドロ・パラモに会いなさい。」死の床で母がファン・プレシアドに残した言葉。しかし、顔も知らない父を探して辿り着いた町コマラは、荒れ果てたとうもろこし畑に、かつてそこに生きた人たちの追憶や溜め息がささめく、死者の町だった。八月の熱い風がすえた臭いを放つ。野心に満ちたペドロ・パラモは、悪知恵と女をたらしこむ強引な魅力で、地主に這い上がっていく。しかし彼が唯一清らかに思い続けた幼なじみのスサナは、気がふれて逝ってしまう。ファンの異母兄弟ミゲルは、放蕩息子で殺人を犯し、その報いか事故で死ぬ。もう一人の義兄弟アブンディオは、貧しさのため妻子を無くし借金を断ったペドロ・パラモを父とも知らず殺す。彼らを贖罪することができない神父レンテリアは、銃を持ちゲリラとなって革命に身を投じる。

荒涼としたメキシコの大地に木霊する死者たちの無数の声。作曲家エストラーダは、原作者ルルフォの音と沈黙のコンセプトを研究し、人々の悲哀と嘆きと憤怒のささめきを、声にならない音として観客の心に響かせる。砕け落ちた音の破片は、出口のない社会の暗部に生きる人々の不安と恐れに呻く心の声や、人間の深層に宿る孤独や希望を、同時代として焙り出している。


キャスト・スタッフ
ヴォーカリスト
フリオ・エストラーダ
アマデオ・エストラーダ
エレン・アーガード
踊り
田中泯
石川高
トロンボーン
マイク・スヴォボダ
ギター
マグナス・アンダーソン
コントラバス
フアン・ヘルミダ
パーカッション・ノイズメーカー
ローレンス・バーバー
ライブエレクトロニクス
フライブルグ・エクスペリメンタルスタジオ
(グレゴリオ・ガルシア・カーマン、スヴェン・カステル)
コーラス
こどもの城児童合唱団
声の出演
シュトットガルド・ニューボーカリスト
原作
フアン・ルルフォ
作曲・構成・演出・音楽監督
フリオ・エストラーダ
演出助手
ベレニース・ゴンザレス・デ・レオン
舞台美術・照明・衣装デザイン
フリアナ・ヴァンスコイト
テクニカルアシスタント
アントニオ・ソラレス・ペレズ
ローサ・マリア・カマリーナ
舞台監督
松下清永+鴉屋
サウンドシステム・ディレクション
今井慎太郎
サウンドシステム協力
有馬純寿
照明
森下泰(ライトシップ)
ボディペインティング
郷坪聖史
チルドレン・コーラス指導
吉村温子 (こどもの城音楽事業部)
字幕翻訳
寺尾隆吉
宣伝美術
井原靖章+井原由美子
(IHARA YASUAKI DESIGN)
プロデューサー
花光潤子(NPO法人魁文舎)
プロダクションマネージャー
松本千鶴(NPO法人魁文舎)

「Murmullos del páramo」公演履歴
世界初演、2006年 ドイツ シュトットガルド国際音楽祭
スペイン マドリッド、 シアトロ・エスパ二ョール
イタリア 第50回ベネチアビエンナーレ国際現代音楽祭
メキシコ 第8回メキシコシティ国際音楽祭


プロフィール

フリオ・エストラーダ (作曲・演出・音楽監督) 
1943年メキシコ市生まれ。幼少から音楽を学び、フリアン・オルボーン、ナディア・ブーランジェ、オリヴィエ・メシアンなどに作曲を師事。現代音楽の巨匠イアニス・クセナキスの設立した電子音楽研究所にてUPICシミュレーターの開発に携わる。68年ドイツでカールハインツ・シュトックハウゼン、72年前衛作曲家のジェルジ・リゲティに師事。その後、74年メキシコ国立芸術研究所の委員長に任命され、独自の音楽構成研究相互システムの開発に携わり、84年メキシコ文部省よりメキシコ・サイエンス・アカデミーの一員として栄誉を受けた初の音楽学者。客員教授としてスタンフォード、サンディエゴ、ニューメキシコ、ロストック、ダルムシュタッドにて教壇に立つ。多数の研究論文は世界各国で翻訳、発表される。音楽学・インターバルクラスの一般理論の仮説、画期的な手法を説くコンティニュームについての著書『Ouvrir l’horizon du son : le continuum』を98年フランスで出版。またアルディッティ四重奏団「ドナウエッシングン音楽祭2006」に声の出演をするなど多岐にわたり精力的に活動している。

石川高 (笙)
東京生まれ。笙を宮田まゆみ、豊英秋両氏に、雅楽合奏を芝祐靖氏に師事する。雅楽団体「伶楽舎(れいがくしゃ)」に所属。笙の他、正倉院の復元楽器竿(う)や、雅楽の歌物の演奏でも高く評価され、国内外で活躍している。また現代作品や、自主作品の演奏も数多く、様々な分野の音楽家やオーケストラと共演。02年にはドイツのバンベルク交響楽団のヨーロッパツアー、正倉院復元楽器と聲明によるヨーロッパ公演に参加。03年、04年にシカゴのSound Field、ベルリンのTransonic festivalに連続参加。06年には、Berliner FestspieleのMaerzmusik Festivalに参加。「Murmullos del P
áramo」(原野のささめき)には06年初演時から参加している。

田中泯 (踊り)
1945年東京生まれ。クラシック・バレエとモダンダンスを学び、66年からソロダンス活動開始。70年代に「ハイパーダンス」と称して、新たな踊りのスタイルを発展。77年、パリの秋季芸術祭「日本の間」展に招待参加(磯崎新・武満徹プロデュース、ルーブル装飾美術館にて)。以後、国内外で独舞、グループ作品の公演を数多く行う。85年に山梨県の農村に移住「身体気象農場」設立。97年「舞踊資源研究所」設立。現在は、拠点を同県内「桃花村」に移し、活動を継続。近年では、『私は地を這う農民でもある』と自らを語っている。土方巽に私淑。/90年 フランス政府より芸術文化騎士章受勲授与。2006年独舞作品[赤光](05)と[透体脱落](05)により朝日舞台芸術賞受賞。踊り以外の活動に、初出演の映画『たそがれ清兵衛』(山田洋次監督作品)で第48回キネマ旬報賞新人男優賞、第26回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞・新人俳優賞を受賞。以後、映画、TVに出演。NHK大河ドラマ『龍馬伝』(吉田東洋 役)等。