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【スパイラル聲明コンサートシリーズ VOL.19「千年の聲」】

鳥養潮作曲
阿吽の音
あうんのこえ

2011年1月25日(火)・26日(水)スパイラルガーデン

阿吽の音

梵語の始まりの「阿」と終わりの「吽」。
宇宙万物に備わるすべての音声を包含する「阿・吽」の言葉。
宇宙の波動に呼応し、時空を翔けめぐる聲明の音を聴く。


[日時] 2011年1月25日(火)〜26日(水)
1月25日(火)20:00開場/20:30開演
1月26日(水)20:00開場/20:30開演

[会場] スパイラルガーデン (スパイラル1F)
港区南青山5-6-2
東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線「表参道駅」
B1もしくはB3出口より渋谷方向へ1分

[料金] 全席自由 前売:4,300円 当日:4,500円)  

[お取扱い] チケットぴあ(Pコード 125-150) TEL 0570-02-9999
http://t.pia.jp/
NPO法人魁文舎[KAIBUNSHA] TEL 03-3275-0220
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スパイラル TEL 03-3498-1171
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日本の仏教寺院で僧侶が儀式のときに唱える声楽を「聲(しょう)明(みょう)」といいます。普段お寺でしか聴くことのできない聲明を、スパイラルの近代的空間の中でおおくりする聲明コンサートシリーズ「千年の聲」。今回は1995年国立劇場の委嘱により、ニューヨーク在住の女性作曲家鳥養潮が“聲明の僧侶の声”のために作曲した、「阿吽の音」を上演します。99年に「千年の聲」コンサートで再演され、CDもリリースされるなど人気を博しました。新たなキャスティングでこの作品に臨みます。
梵語の始まりの「阿」と終わりの「吽」。インド仏教では「阿」は永遠を表し、「阿」「吽」の一対の言葉は、無間の空間のことを意味しています。「阿吽」の音と発声は、日本語の五十音の基礎ともなった、日本語の源流です。空海は表現する一切を声であり文字であるとして、真言の広さ深さを説きました。鳥養潮はこの壮大な宇宙観を秘めた「阿吽の音」を元に、聲明独特の発声や歌唱法を生かしてこの曲を創作しました。「阿吽の音」は、仏教儀礼のルールから解き放たれ聲明の音楽性が際立つ、現代聲明の代表作ともいわれています。初演から15年の時を刻んだ今回の記念公演。回を重ねるごとに若い次の世代に受け継がれ、新たな伝統の一頁を刻んでいくことでしょう。

演目式次第
入堂/阿吽Ⅰ/阿吽Ⅱ/阿吽Ⅲ/阿吽Ⅳ/唄〜散華・対揚/あかあかや〜行道/走り〜光明真言/結章


出演
聲明の会・千年の聲
構成・演出
田村博巳
作曲
鳥養潮
宣伝美術
井原靖章
制作
スパイラル/NPO法人魁文舎/聲明の会・千年の聲
助成
芸術文化振興基金
後援
日本現代音楽協会
主催
聲明の会・千年の聲/株式会社ワコールアートセンター
テクニカルアシスタント
アントニオ・ソラレス・ペレズ
ローサ・マリア・カマリーナ

聲明の会・千年の聲

千二百年の伝統を誇る日本の音楽の貴重な財産である「聲明」。その伝統の継承と発展を目的に、日本の聲明の二大潮流を成す真言宗・天台宗の指導者が宗派を越え結成した。97年に旗揚げした「聲明四人の会」+シャブダの名称を、中堅、若手の著しい成長から「聲明の会・千年の聲」と改め、更なる飛躍を目指し国内外で活動している。定期公演「千年の聲」を基盤に、古典作品の紹介と優れた作曲家に委嘱する新作聲明を発表し、聲明のもつ伝統の深さと現代への可能性を追求している。CDリリースに「阿吽の音」「存亡の秋」(鳥養潮 作曲/(財)ビクター伝統文化振興財団)がある。

迦陵頻伽聲明研究会(真言宗)
孤嶋由昌、新井弘順、大平稔雄、小嶋教道、木内修岳、孤島泰凡、斎藤説成、酒詰明文、清水義英、小路耕徳、多田康雄、田中康寛、塚越秀成、塚田康憲、戸部憲海、新山尚道、西谷隆司、沼尻憲尚、平井和成
七聲会(天台宗)
佐野廣隆、末廣正栄、杉山幸雄、鈴木亮仁、玉田法信、豊田良栄、林尚順、平田真紹、室生述成


■プロフィール
鳥養潮(とりかいうしお)作曲家

幼少より日本伝統音楽、ヨーロッパ古典音楽に親しむ。慶応大学経済学部卒。1970年代後半から実験的音楽活動を開始。82年パリビエンナーレに招待されて以来、ヨーロッパ各地でコンサートを開催。83年国立劇場企画による「箜篌」の復元協力、作曲、演奏。86年Asian Cultural Councilの招聘により渡米。最近の主な委嘱としてアンサンブルモデルン、アンサンブルコンティヌーム、クロノス・クワルテット、演劇集団マブ・マインズ、ロサンジェルス市永久保存の公園音楽等。委嘱の範囲は、パブリックインスタレーション、コンピューターミュージックからオペラ、オーケストラ作品まで多岐にわたる。09年アメリカでアルバム“REST”を発表し大きな反響を呼ぶ。ニューヨーク在住。


批評から

深い闇の空間に誘う聲明の魅力と同時に、意外にもダイナミックで、鮮烈ですらある新しい可能性を体感させる。鍛え抜かれた強く輝かしい歌声は、時に悠久のときの流れが打ち鳴らす律動にも似て響き渡り、聞き手から雑念を奪い取る。

『レコード芸術』批評より 諸石幸生

 

「強靭と優雅。透明と混濁。調和と破調。古代と現代。あらゆる相反する世界を引き受けて対位法を試みる鳥養潮の変容は、理知的なチャンス・オペレーションの領域から離脱して、彼女の肉体だけが感得している官能として現れてきている。」

   篠田正浩(映画監督) ライナーノートより

癒しにさえ喝をいれるアバンギャルドな聲明

いとうせいこう