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存亡の秋
(そんぼうのとき)

スパイラルコンサートシリーズ 20回記念公演「千年の

鳥養潮作曲

2012年1月24日(火)・25日(水)スパイラルガーデン 

生きとし生けるすべてのものに捧げる祈りの歌。
あらゆる生命の共存のために……。

存亡の秋

日本の仏教寺院で僧侶が儀式のときに唱える声楽を「(しょう)(みょう)」といいます。スパイラルの近代的空間の中でおおくりする聲明コンサートシリーズ「千年の聲」は、1998年から始まり今回で20回を迎えます。1200年の伝統を誇り日本の音楽の源流である「聲明」。普段お寺でしか聴くことのできない聲明を少しでも多くの皆様にお届けしたいと、宗派を超えて結成された「声明の会・千年の聲」の真言宗・天台宗の僧侶たちとスタッフ一同が、心を込めて古典と新作の聲明を毎年上演してきました。これまでの皆様のご愛好とご支援を心より感謝申し上げます。

20回記念公演は、2002年に千年の聲で委嘱上演しCDリリースもされた、新作聲明の代表曲、ニューヨーク在住の女性作曲家鳥養潮作曲による『存亡の秋』を上演致します。

2001年9.11の同時多発テロを悼み、ニューヨーク在住の作曲家鳥養潮が祈りを込め作曲した聲明曲「存亡の秋」。その10年後今度は大震災によって、私たちは不慮の死に直面しました。けれどまた、誰もが老いとともに最期が訪れる冬の日を迎えます。逃れることのできない死に想いをはせる人生の秋。釈迦は、死をみつめることによって生きることを説きました。

一方、遠い彼の地のアメリカンインディアンは、ささやかな日常の幸福の中で、穏やかに死を向い入れる境地を詩に謳っています。

どのように死を受け入れるか、そして死と隣り合わせの生をどう生きるか?

「存亡の秋」は、その智慧と生の覚醒を唱う生命の讃歌です。

動物も草木も人間も、異なる民族も等しく、限られた時を共に生き、生命を全うする生き物。

願いを込めて生きとし生けるすべてのものに捧げられる、僧侶の祈りの声をお聴きください。


演目式次第

前讃『無常偈』
ナンシー・ウッド『今日は死ぬのにもってこいの日 MANY WINTERS』より

唄「如来唄」

散華「散華」

錫杖「錫杖」

総回向『生死』
ナンシー・ウッド『今日は死ぬのにもってこいの日 MANY WINTERS』より

終讃『無常偈』
ナンシー・ウッド『今日は死ぬのにもってこいの日 MANY WINTERS』より


2012年
1月

24日(火)開場20:00 開演20:30
25日(水)開場20:00 開演20:30

スパイラルガーデン (スパイラル1F)
東京都港区南青山5-6-2
*東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線「表参道駅」 B1もしくはB3出口より渋谷方向へ1分。


【料金】

全席自由 前売 4,300円/当日 4,500円
チケット発売開始 12月10日


チケット取扱
チケットぴあ http://t.pia.jp/
0570-02-9999
[Pコード:156-368]
NPO法人魁文舎 03-3275-0220
スパイラル 03-3498-1171
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お問合せ

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[出演]
聲明の会・千年の聲
[構成・演出]
田村博巳
[作曲]
鳥養潮
[宣伝美術]
井原靖章
[制作]

スパイラル/NPO法人魁文舎/聲明の会・千年の聲

[助成]
芸術文化振興基金
[主催]
聲明の会・千年の聲/株式会社ワコールアートセンター

聲明の会・千年の聲

千二百年の伝統を誇る日本の音楽の貴重な財産である「聲明」。その伝統の継承と発展を目的に、日本の聲明の二大潮流を成す真言宗・天台宗の指導者が宗派を越え結成した。97年に旗揚げした「聲明四人の会」+シャブダの名称を、中堅、若手の著しい成長から「聲明の会・千年の聲」と改め、更なる飛躍を目指し国内外で活動している。定期公演「千年の聲」を基盤に、古典作品の紹介と優れた作曲家に委嘱する新作聲明を発表し、聲明のもつ伝統の深さと現代への可能性を追求している。CDリリースに「阿吽の音」「存亡の秋」(鳥養潮 作曲/(財)ビクター伝統文化振興財団)がある。


迦陵頻伽聲明研究会(真言宗)

孤嶋由昌、新井弘順、平井和成、大平稔雄、川城孝道、斎藤説成、小路耕徳、塚越秀成、塚田康憲、田中康寛、戸部憲海、沼尻憲尚、孤島泰凡、清水義英、多田康雄、酒詰明文、榊隆大、青木亮敬


七聲会(天台宗)

海老原廣伸、末廣正栄、室生述成、玉田法信、杉山幸雄、平田真紹、林尚順、鈴木亮仁、豊田良栄


鳥養潮(とりかいうしお)作曲家

幼少より日本伝統音楽、ヨーロッパ古典音楽に親しむ。慶応大学経済学部卒。1970年代後半から実験的音楽活動を開始。82年パリビエンナーレに招待されて以来、ヨーロッパ各地でコンサートを開催。83年国立劇場企画による「箜篌」の復元協力、作曲、演奏。86年Asian Cultural Councilの招聘により渡米。最近の主な委嘱としてアンサンブルモデルン、アンサンブルコンティヌーム、クロノス・クワルテット、演劇集団マブ・マインズ、ロサンジェルス市永久保存の公園音楽等。委嘱の範囲は、パブリックインスタレーション、コンピューターミュージックからオペラ、オーケストラ作品まで多岐にわたる。09年アメリカでアルバム“REST”を発表し大きな反響を呼ぶ。ニューヨーク在住。