日程:2018年3月27日(火)開演19:00
会場:安養院瑠璃講堂
出演:声明の会・千年の聲
迦陵頻伽声明研究会(真言宗)
七聲会(天台宗)
演目:四箇法要「唄」「散華」「対楊」「錫杖」
お問合せ:NPO法人魁文舎 http://www.kaibunsha.net
声明 [しょうみょう]
日本の仏教寺院で、僧侶が儀式のときに唱える声楽を「声明」といいます。仏教が日本へ伝えられたのは6世紀頃ですが、752年の東大寺大仏開眼供養で唱えられた四箇法要〔唄(ばい)・散華(さんげ)・梵音(ぼんのん)・錫杖(しゃくじょう)〕が最初です。その後、9世紀の初めに弘法大師空海により真言声明が、中頃に慈覚大師円仁により天台声明が、中国から伝えられました。そして12世紀平安後期より14世紀の鎌倉・南北朝期に隆盛し、記譜法・楽譜・音律論・演奏法等が整備されました。文明4年(1472年)には、現存する年紀の明らかな印刷楽譜としては世界最古の「声明集」が高野山(南山進流)で刊行され、声明の普及がはかられました。
声明は、その歴史と音楽性において、キリスト教のグレゴリア聖歌とともに、すぐれた宗教(典礼)音楽として、今日高い評価を受けています。しかし明治以降、日本の音楽教育は西洋音楽一辺倒となり、日本の伝統音楽の多くが忘れ去られました。声明が再発見されたのは、第二次世界大戦後、若い現代音楽家によるものでした。黛敏郎は梵鐘・呪(だらに)・声明の響きに魅せられ、「涅槃交響曲」を作曲し、1958年初演されました。また、民族音楽学の研究者による声明への関心が高まる中、僧侶自身も声明に対する意識を促されることとなりました。現在では国立劇場での声明をはじめ、海外の音楽祭からの招聘公演も相次ぎ、日本のみならず世界の音楽家から注目を集めています。
声明の会・千年の聲
千二百年の伝統を誇る日本の音楽の貴重な財産である「聲明」。その伝統の継承と発展を目的に、97年日本の聲明の二大潮流を成す真言宗・天台宗の指導者が宗派を越え「聲明四人の会」を結成。後、名称を「聲明の会・千年の聲」と改め、古典作品の紹介と優れた作曲家に委嘱する新作聲明を発表し、聲明のもつ伝統の深さと現代への可能性を追求している。CDリリースに「阿吽の音」「存亡の秋」(鳥養潮 作曲/(財)ビクター伝統文化振興財団)がある。 |