深い海の下に 洞穴の口があって、あらゆる風はみな そこで生まれるのだ
かれは海の下からやってきて、はるかな空の高みにまで 登ってゆく
―――――「風の歌」ナヴァホの神話より
日程:2018年12月15日(土)開演15:00
会場:上越文化会館大ホール
出演:声明の会・千年の聲
迦陵頻伽声明研究会(真言宗)
七聲会(天台宗)
構成・演出:田村博巳
挿入歌「夜の歌」「風の歌」作曲:桑原ゆう
『螺旋曼荼羅海会』は、作曲家桑原ゆうがアメリカ・インディアンの創世神話をテクストに作曲した「風の歌」と「夜の歌」を、古典の四箇法要に挿入歌として構成した新作声明作品です。
海はさまざまな生命が生まれる源、その底の法螺貝の先端の一点から、生命の息吹が始まります。そこから立ち上るエネジーが声となって発せられ、やがて風を起こし広がって、声の波動が会場を包みます。
曼荼羅は巨大な宇宙を形象している渦の図形です。会場全体を立体マンダラに見立て、天台宗(胎蔵界)と真言宗(金剛界)による『螺旋曼荼羅海会』がダイナミックに執り行われます。
宇宙的な力を秘めた渦巻空間、僧侶の声に気は充満し、大日如来を中心にコスモスが立ち上がり、胎蔵界金剛界の両界曼荼羅が動き出します。
『螺旋曼荼羅海会』
法螺貝・云何唄・散華(上段・下段)・対揚ほか
挿入歌 作曲:桑原ゆう 、テクスト:アメリカン・インディアン ナヴァホの儀式歌
「夜の歌」「オホホホ ヘヘヘ ヘイヤ ヘイヤ オホホホ ヘヘヘ~」など呪文のように唱えられるシャーマンがつくる音だけの詩
「風の歌」「すべて生きるものに生命を吹き込むのは風。胎内に息あるかぎり、生命はある。~」ナヴァホ族の創世神話では、白い風の神は生命力そのものであった。
声明の会・千年の聲
千二百年の伝統を誇る日本の音楽の貴重な財産である「聲明」。その伝統の継承と発展を目的に、97年日本の聲明の二大潮流を成す真言宗・天台宗の指導者が宗派を越え「聲明四人の会」を結成。後、名称を「聲明の会・千年の聲」と改め、古典作品の紹介と優れた作曲家に委嘱する新作聲明を発表し、聲明のもつ伝統の深さと現代への可能性を追求している。CDリリースに「阿吽の音」「存亡の秋」(鳥養潮 作曲/(財)ビクター伝統文化振興財団)がある。
桑原ゆう (作曲家)
作曲家、1984年生。東京藝術大学音楽学部作曲科卒業、同大学大学院音楽研究科(修士課程)修了。在学中より国内外の音楽祭、セミナー等に参加し作品発表を始める。第74、75、78回日本音楽コンクール作曲部門入選。2009年度トーキョーワンダーサイト国内クリエーター制作プログラムに選抜。2015年ミラノ国際博覧会におけるFeeding MusicInternational Composition Competition入選、イタリアパビリオンで新作が初演される。2011年、同世代の演奏家と「淡座」を立ち上げ、古今亭志ん輔氏をゲストに旗揚げ公演を行い、その後も志ん輔氏との公演を重ねている。他、NHKラジオドラマ、ファッションブランドのランウェイショー、プロモーションビデオなどの音楽を作曲し、様々な分野と交流し創作活動を行っている。
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