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「聲明」

四箇法要

「花びらは散っても花は散らない」附 宮内康乃作曲【海霧讃歎】

2019年3月2日(土)15:00 開演
会場:愛知県芸術劇場コンサートホール
出演:声明の会・千年の聲
構成・演出:田村博巳
料金:全席指定 S:6,000円、A : 4,800円

関連講座「日本の声をめぐって」
2019年1月27日(日)14:00 「声明の基礎知識」
2月2日(土)14:00 「新作声明の軌跡」

お問合せ:
愛知県芸術劇場
http://www.aac.pref.aichi.jp
TEL:052-971-5609

四箇法要「花びらは散っても花は散らない」
人生の途中でいのちを奪われた人たちは
けっしてこの世から消滅したわけではありません
その人たちのいのちはかれらを大切に思い続けようとする人々によって
いつまでもこの世に生き続けています

わたしたちは死んでしまった人たちに見守られて生きているのであり 
ときおりかれらと対話することすらできるのです

かれらは形ではない魂という別の姿を取って私たちの前に現れます
生きるとは死者とともに生きるということです

一緒に暮らしてきたり楽しく会話したり愛し合っていた人を失った場合
その喪失感はどうしようもなく大きいものでしょう

「海霧讃歎」

海霧に
とけて我が身も
ただよはむ
川面をのぼり
大地をつつみ
海霧にとけて我が身もただよはむ 川面をのぼり大地をつつみ

死者の霊をとむらうことは花を手向けることでなく
その生きた人の咲かせた花に内側から光をあてることです
その花はおそらくそうしたとむらいいたむ人がいなくなれば
そこでは咲く場所を失います

それからその人をとむらいいたむ人がいなくなったとき
その魂、花は消えていくということです

しかしまた何十年、何百年経とうと、とむらいいたむことが営まれれば
そこではまた花作ということにもなるのでしょう

色即是色というは即ちこれ南無阿弥陀仏なり
自然界の風景の中にとけこんでいる目には見えない魂の存在があります

花びらは散る 花は散らない

宮内康乃 作曲家

東京学芸大学G類音楽科作曲専攻卒業、情報科学芸術大学院(IAMAS)メディア表現研究科修了。大学にて作曲を、大学院にて電子音楽やメディアアートを学び 、逆に人間の身体を通して生まれるプリミティブな表現に目覚め、人間の呼吸の有機的な伸縮により紡ぎ出される女声のための合唱曲「breathstrati」を作曲し、2008年Prix Ars Electronica, Honorary Mention受賞。その作曲法をもとに、女性による音楽パフォーマンスグループ「つむぎね」を立ち上げ、活動を開始。現在も精力的に演奏活動、ワークショップなどを行っている。2011年鍵盤ハーモニカのための作品「mimesis」にてJFC作曲賞を受賞。また近年、正倉院復元楽器や聲明、箏など日本の伝統音楽への作曲も多くおこなっている。

http://www.tsumugine.com/